リスクを抱えて事業を拡大する目的とは?

リスクを抱えて事業を拡大する目的とは?

成長中の企業は事業拡大を目指しますが、新規事業の展開は赤字転落や倒産などの大きなリスクもはらんでいます。。多くの経営者たちは、なぜ既存事業をリスクにさらしながら事業を拡大するのでしょうか?
それは、プロダクトライフサイクル(製品寿命)が関係しています。今回は、企業があえてリスクをおかして事業拡大を図る目的と必要性についてご説明致します。

1.事業拡大は企業の成長に不可欠

リスクを抱えて事業を拡大する目的とは?
立ち上がったばかりの企業は多くの場合、特に優れた1つの製品を企業の強みとしています。しかしどれほど優れた製品を生産・販売していても、売上が際限なく上がり続けることはありません。

優れた製品を一つだけ持っていても存続し続けられるわけではないのは、主に以下の2つの理由からです。

①プロダクトライフサイクルとは?

需要のある製品は市場でシェアを拡大し、徐々に多くの顧客に浸透します。そのまま順調に売上を伸ばしてピークを迎えた製品は、少しずつ売上が落ち込み最後には市場から消えてしまいます。

このような市場における製品のライフサイクルがプロダクトライフサイクルです。あらゆる製品は導入期から衰退期までに4つの過程をたどるとされており、1つの製品しか持たない企業は衰退していく製品とともに衰退せざるを得ません。

例えば、カラーテレビは1970年代から急激に普及率が伸びました。このころテレビ産業はすさまじい利益が期待できる市場でした。しかし今ではほとんどの世帯がテレビを持っているため、当時ほど売上の伸びしろは期待できません。

さらに今後は若者のテレビ離れやIT製品の台頭などによって、市場の売上が減少することが予想されます。主力製品としてテレビを扱う企業は、苦難を強いられることになるでしょう。

②競合他社の存在

プロダクトライフサイクルが製品に寿命があることを示していますが、資本主義社会のなかでは他にも大きな課題があります。それは市場における競合相手の存在です。

自社製品が競合相手よりも劣っていれば、製品の寿命を迎える前に市場から撤退せざるをえません。この競争のなかで生き残るためには製品や市場を新しく開拓しつつ、リスクをとって事業を拡大していく必要があります。

これこそが、多くの経営者がリスクを取りつつ事業を拡大する理由です。

2.タイミングに応じた事業拡大が必要

リスクを抱えて事業を拡大する目的とは?
事業拡大はリスクを伴いますが、リスクを冒さなければ企業は存続できません。では、企業がリスクを冒すべき瞬間とは、どのようなタイミングなのでしょうか?

プロダクトライフサイクルがあらわす製品寿命の周期は4段階(導入期・成長期・成熟期・衰退期)あります。

この項ではそれぞれの周期が持つ特徴と、多くの企業が選ぶ効果的な方法をご紹介致します。

①市場の成長期に有効な事業拡大

製品の売上が急成長する成長期は、最初に事業拡大を考え始めるタイミング。顧客から注目を集め始めて競合相手が増加する、プロダクトライフサイクルの第2フェーズにあたる段階です。類似製品が次々にあらわれるなか、質とコストが顧客のニーズとマッチする製品が売上を伸ばしていきます。

そのため、この段階では市場調査や顧客の分析にリソースを集中させる市場浸透戦略が効果的です。これは既存事業の延長線ともいえる事業拡大であるため、リスクの少ない経営戦略と言えます。

②売上がピークを迎える成熟期の戦略

製品に興味を示すであろう顧客を全て取り込んだあと、市場の売上はピークを記録して緩やかに下降していきます。新規参入を狙う企業が減ることで市場に落ち着きが見られますが、衰退することが目に見えているため何らかの対策が必要です。

成熟期に事業拡大を行う企業は、既存顧客のニーズをくみとりながら付加価値を生み出す新製品開発戦略か、興味を示すターゲットを広げていく新市場開拓戦略を取るケースが一般的です。製品開発力に強みを持つ企業は前者、市場を開拓できる営業力や企画力がある企業は後者を選択する傾向があります。

③企業の存続は衰退期までの対策次第

プロダクトライフサイクルの最終フェーズである衰退期を迎えれば、その市場から撤退するか市場に残るかの選択が迫られます。衰退期を迎えるまでに事業拡大を行い、他の事業で売上を伸ばしていれば撤退の選択は容易です。

しかし1つの事業に注力したまま衰退期を迎えた場合、このタイミングで新規事業を打ち出す行為はリスクが高いと言えます。選択肢の1つとして残存者利益を狙う戦略も考えられますが、今後の業績が劇的に上昇する可能性は低いでしょう。

このような局面に陥ってしまうと難しい判断を迫られることになりますが、業績を伸ばせる可能性が高いのは新規事業の展開です。既存事業は徐々に衰退するため時間に追われることになりますが、限られた時間の中でリストラ(既存事業の余剰人員や設備の整理と新規事業への準備)を進めていく必要があります。

新規事業に理解のある専門家や外部人材を取り込みつつ、スピード感と正確性のある多角化戦略が求められます。無事に新規事業の業績が安定したのであれば、同じ危機を迎えないための衰退期に入る前に新規事業を開始するなどの対応を行わなければなりません。

3.まとめ

いかがだったでしょうか?
どのような製品であっても、プロダクトライフサイクルに従って市場での寿命を迎えます。企業を長く繁栄させるためには、1つの製品や市場にとらわれることなく広い視点を持ち続けなければなりません。

そのため経営者は顧客のニーズをくみ取りつつ、新たな1手を絶えず考える努力が重要です。衰退期を迎えるまで未対策であるリスクを認識し、タイミングに応じた方法が選べるよう事前の準備が大切だと言えます。

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